高い階なら?
ワイキキの夜の音が心配なとき、高い階を選べば安心、という意見を見かけます。通りから離れるほど、街の声は届きにくくなる。それは、その通りだと思います。窓を開けて眠りたい方ほど、階の高さに期待します。しかし、高さが変えるのは、音の大きさだけなのでしょうか。私の結論はこうです。階が高くなると、届く音は減りますが、消えない音があり、代わりに増える音もあります。階の数字だけで決めると、期待とのずれは、旅先ではじめて分かります。だから、確かめるべきは、音の量ではなく、音の種類です。
ハワイで、たまたま高層階の物件を見つけました。31階です。泊まって好きになったのは、一面のガラス窓から見える、ダイヤモンドヘッドと海でした。ベッドに寝転ぶと、目線の先が海になります。確かに、景色だけなら、階が高いほど良いものです。しかし、窓がこれだけ大きいということは、外の空気も、外の音も、部屋のすぐ近くにあるということです。景色と音は、同じ窓から入ってきます。窓の大きさは、良さと注意の両方を運んできます。夜の音を数字で示せる測定の記録は、私の手元にありません。だから、この文章では、数字を出しません。
階の高さと夜の音の関係を、統計で示した資料は、私は確認できていません。実例を挙げます。Ali’i Beach Rentals の掲載ページに、31階の部屋に泊まった方の声が載っています。言い換えて紹介します。ある方は、バルコニーを開けたままでも、ほかの高さの部屋より、音が気にならなかったと書きました。別の方は、街の音は聞こえるが、隣の部屋の音は聞こえなかった、と書いています。一方で、高層階なので風の音が大きく、下の車の音も少し聞こえた、という声があります。夜に下から大声が聞こえた、と書いた方もいます。
ワイキキの夜の音は、階が高いほど、小さくなる面があります。ただし、風の音や、下から届く車の音や声のように、高さでは消えない音があります。風の音が大きかったという声は、高さが生む音の例です。下から届く声は、高さでも消えなかった音の例です。だから、階を選ぶときは、高いか低いかより、どんな音が届く場所なのかを、先に確かめてください。窓を開けたときの音を、泊まった方の声から探す。それが、夜の音で後悔しないための、有効な下調べだと、私は考えます。音は、階の数字より、窓の外の空気の中にあります。
